SSブログ

立原道造詩集より [詩]

晩(おそ)き日の夕べに

大きな大きなめぐりが用意されているが
だれにもそれとは気づかれていない
空にも 雲にも うつろう花らにも
もう心はひかれ誘われなくなった

夕やみの淡い色に身を沈めても
それがこころよさとはもう言わない
啼いてすぎる小鳥の一日も
とおい物語と唄を教えるばかり

しるべもなくて来た道に
道のほとりに なにをならって
私らは立ちつくすのであろう

私らの夢はどこにめぐるのであろう
ひそかに しかしいたいたしく
その日も あの日も賢いしづかさに?

『立原道造詩集』

*凡そ全てのヒューマノイドがその因果の巡りを成就するように!

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:学校

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。